Planet Table Days

PT公式ブログ

フードロス問題について考える。

こんにちは!PRくりこです。

 

先日、THE BRIDGEさんによる会員向けオープンイノベーション企画「Lab.」に参加してきました!

今回のテーマは「食糧危機・フードロス問題」。代表の菊池が監修(お手伝い)し、当日は参加者の前でお話もさせていただきました。

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「フードロス問題」についてはかねてから関心があった私も、もっと深く、正しい知識を得たいと思い参加してきました。このフードロス問題は、商習慣はもちろんのこと、私たち「食べる側」も、行動や姿勢など意識を大きく変えていかないと解決に近づかないんだと、強く感じました。

少し長くなりますが、当日の内容をご紹介します。

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◆フードロスの現状

皆さんもご存知の通り、世界の人口は増え続けており、2050年には100億人に達するともいわれています。現時点では、全世界の人が食べられるだけの食糧はあるそうですが、飢餓に苦しむ人も多くいる現実からもわかる通り、最適に配分されていません。

また、生産者も減少傾向にあり、このままいけばいずれ食糧危機に陥るリスクが声高に叫ばれています。

 

では国内に目を向けるとどうか?

 

皆さん、知っていましたか?

日本における食品廃棄量は約600万トン。分かりやすく言い換えると、「国民一人一人が毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てている」という状況です。

ちなみに、世界の食糧支援の量は約320万トン。日本だけで、その倍の量を捨てていることになるんです!

さらに、その内訳をみると、事業者系において300万トン以上、一般家庭において282万トンと、ほぼ同数です。日本の食品廃棄量の実に約1/2が家庭からの排出になっているなんて。。これはとてもショッキングな数字です。

※本データは、BRIDGE LAB.の講演内容から引用しています。

 

◆知っておくべき3つのキーワード

では具体的に、どこでどんなロスが起きているのか?

この「フードロス問題」を理解する上で押さえておくべき3つのキーワードがあります。

 

1.3分の1ルール

食品業界には、「3分の1ルール」と呼ばれる商習慣があるそうです。製造してから賞味期限までの期間を3分割し、

・製造してから1/3を過ぎると、スーパー等に納入できない

・賞味期限から1/3を切ると、スーパー等が消費者に販売しない

というもので、この「2つのロス」が発生する業界慣習が、いまだに根強くあります。欧米でも似た考え方はあるようですが期間はもう少し柔軟で、世界的に見ても日本はかなり厳しい基準になっているのだとか。

メーカー、小売側も期限直前に割引販売するなど努力をしていますが、やはり、一定程度余ったら廃棄に回るという現実。私たち消費者側も、賞味期限が1日でも長いものを選んでしまったり、ちょっとパッケージが傷んでいるだけで購入を避けてしまう、なんてこともあります。こうした「習慣」が、大量の食品ロスを発生させている原因の一つなんだということを改めて認識しました。

 

2.増産・在庫バイアス 

例えば「工場」を作ると、採算性の観点から“最低生産ロット”が発生します。また、出荷要請があった際にすぐに対応できるよう、多めに生産してストックしておくといった「増産・在庫バイアス」がかかります。

小売の世界においても、欠品による機会損失やクレームを防ぐため、一定程度の在庫をもつようになります。こうした「余裕を持つ」対策が、作り過ぎや結果としての廃棄処分に繋がっているという面があるそうです。

 

3.市場価格安定のための“生産調整”

これは農作物の生産量(供給量)が、需要を上回り続けた時に、市場価格維持の観点から、生産・出荷調整をかける制度です。例えば、皆がキャベツを作り過ぎると、供給過剰になって価格が暴落します。そうなると一産地だけでなく、全国の生産者の所得が減ってしまう、という状況になります。

こうならないように、生産者側で出荷ストップなどの調整をかけ、市場価格の安定を図ろうとします。要は、「畑で潰す(そのぶん補助金でサポートする)」ということなのですが、こうした畑における廃棄を含めると、前述の食品廃棄量はもっと大きくなるとのこと。

 

しっかり知れば知るほど、いろんな要素が複雑に絡まりあっていることが分かります。


◆何ができる?

こうしたフードロス問題は、あらゆる取り組みが必要だと思いますが、私たちはSENDを通じて、二つのアプローチをとっています。

 

まずは「需要を予測し、生産・供給を設計すること」です。

過去の取引データや天候など、あらゆるデータを用いて流通量を日次ベースで予測し、生産者に見込量を予約(生産依頼を含む)したり、発注したりしています。生産者さんにはそれに合わせて、生産/出荷して頂きます。食材物流・配送網も自社で構築することで、タイムラグやロスなく配り切ることを実現しています。

 

二つ目は、やはり「あるとき、あるもの、あるだけを食べる習慣」や、「機動的な原料・メニューの変更ができる事業モデルの普及(支援)」です。

チェーン店やファストフードのように、メニューや原材料が固定化されていることは、実は事業リスクも大きくなることが指摘されています。例えば、台風で全国的にレタスが壊滅的な被害を受けた昨年は、サンドウィッチやサラダ系の業態はレタスが手に入らず、値段も高騰し、大きな赤字を計上することになったようです。

一方で、SENDが食材をご提供しているようなお店は、メニューや食材を機動的に変更し、季節の果菜類等を使った焼き野菜のサラダなどに切り替えることで、むしろ客単価を上げることに成功するなど、収益向上施策に繋げていました。

 

「作り過ぎ(生産過剰)」、「抱えすぎ(在庫過剰)」、「廃棄しすぎ」な商慣習を、ITやデータを活用しながら“しなやか(機動的)な”仕組みにシフトしていかないといけない、と菊池は言います。

 

私も改めて、SENDなどの普及を通じて、大切に作られた食べ物が、捨てられることなく人の口まで届く世界作りに貢献していきたい、と思えました。

 

是非皆さんも、フードロス問題について知り、考えてみてください^^