Planet Table Days

PT公式ブログ

毎日が、世界食料デーなんだよね。

ども、プラネット・テーブルの菊池です。

 

今日10月16日は「世界食料デー」ということらしく。各地で食料廃棄を減らそうとか、世界共通の標語にもなった"もったいない(MOTTAINAI)"をもう一度喚起しよう、というイベントやシンポなども開かれています。

 

大事なことですよね。

こういう機会を通じて、食べ物を取り巻く課題が周知され、皆で取り組んで行く社会になれば、と心から思います。

 

そんな今日という日なんですが、

世界の食料問題に向き合い、生産者支援や流通の課題解決に取り組む僕ら、プラネット・テーブル社は何かしたかと言うと…!

特に何もイベントとかしてません。まったくもって、驚くくらい、いつも通りです。

僕らにとっては、毎日の仕事や言動の一つ一つが食料問題への取り組みなので、いわば「365日食料デー」だからです。

 

大切なのは、食料問題やデータをただ「知る」ことじゃありません。食料廃棄(フードロス)の発生原因についても、食材や地域、過程や時期によってもまるっきり違います。複雑に入り組んだ地層のように、長い年月をかけて至った産業構造や消費行動を丁寧に紐解き、未来を想像しながら作り替えて行く。そんな作業を毎日やってます。

 

なんて言うだけあって、日々、あらゆる食料問題に直面します。例えば、これ。


f:id:planet_table:20161016195615j:image  f:id:planet_table:20161016195709j:image

僕が手に持っているラ・フランスは、一見キレイなのですが、実は食用はおろか、ジュース用にも使われず、一度水に浸してから「廃棄」されます。何でか分かりますか?

 

よーく写真を見てください。

 

実はこれ、小さな小さな虫が食った、小さな小さな穴が空いてるんです。このくらい↓、穴が大きくなると分かりやすいですかね?


f:id:planet_table:20161016201000j:image

虫が食うと、穴の中に稀にまだ虫がいることがあったり、穴が空いたところから熟が進んで行くので日持ちしにくいと言われています。なので、虫を殺すために水に浸してから廃棄、と。

 

って、ちょっと待てよ。

 

穴の周りを切って落とすなりすれば使えるでしょ。神経質な、一世代前のクレーマー消費者向けにはさすがに出せなくても、少なくともジュースや加工用には使えるじゃないか、と思いませんか。

 

そう伝えたら、生産者さんは、

「ジュース屋はそんな部分落としなんて手間なこと、やらないよ。コンテナごとラインに投げ込むだけだから、虫食いは入れないでって言われる」

 

「そもそも熟した実や熟しやすい状態のものは出せない。ちょっとした押し(凹み)や傷みとかでクレームになるし、送るだけ無駄。送料やクレーム対応分、損するからやらない」

 

「熟して本当に美味しい状態になったら、規格外。値がつかない。硬くていまいち美味しくないものの方が高く売れるもんだから、努力しなくなる農家もいるのよね」

 

と自嘲気味に言うんです。

皆さんなら、どう思いますか?

 

僕らは、一番美味しい完熟品を取り扱えるように梱包を工夫したり、傷んだ箇所を外して残りをカットやピューレで冷凍しておいて春先や夏場のデザート原料に使ってもらったり、色々トライします。「畑で作られたものが、できる限り全て、美味しく人に食べてもらえる」ように、できることは全てお手伝いします。毎日毎日、一食材ずつです。

 

だから改めて「食料デー」と言われても、あまりピンと来ていません。食料デーのイベントとかで聞く話は「人口増えてます、食べ物足りなくなります、それでも捨ててます、農村が苦しんでます」みたいな、表面的なデータを用いて"危機感を煽る"ことには成功していますが、僕らが日々目の当たりにして、解決しようとしているリアルとの温度差を感じざるを得ません。

 

もっと言うと、食料廃棄(フードロス)の統計データは「流通に乗ってからの量」をベースにしているので、「未出荷ロス(どうせ売れないから出さない量)」や、「未収穫ロス(採りもしない量)」などはカウントされていない場合が多いです。もちろん、そもそも「未生産分(土地はあるけど作りもしない分)」は数字として現れもしません。

つまり、「実際に生産・出荷が可能な量」に対して、「今、人が食べている量」はかなり少ない(細かく試算したわけではありませんが、作物によっては30%~40%台)と思います。

 

これを見て、食べ物が足りないと見るなり、流通が歪んでいると見るなり、人それぞれですが、 こうしてリアルな畑側から見てみると、食料問題ってまた違う捉え方ができます。

 

僕らのSENDの場合、物流劣化や、切ってみたら傷んでいた(外見では判断できない)分で、2%程度は出荷できない分(ロス)は出ています。

葉っぱ一枚、割れたミニトマト一つでも、捨てるものは全て写真を撮り、毎日、全スタッフが見ています。見るたびにチクリと感じる"心の痛み"に慣れることはありません。

 

極めて低いロス率と言われてはいるものの、やはり限りなくゼロに近付けるよう、僕らの食料デーはこれからも毎日、続いていきます。

 

がんばるぞ(笑)。