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Planet Table Days

PT公式ブログ

ネコから考える「自然と人間」

メディアチーム高良です。

今回はちょっと個人的な話から始まりますが、私、ネコを飼っています。

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頑張ってしつけているのですが、ある一か所の壁が気に入って爪とぎをしてしまうので、ディクロー(抜爪手術)をしようということになりました。ディクローはアメリカでは一般的で、私も向こうで爪のないネコたちと接したことがあり、身近なものでした。しかし、多くの国で非人道的行為であると批判されているのも事実です。

日本でもネットで検索すると、上位に出てくるのは批判の数々。知恵袋でも質問者が袋叩きに合っている始末。でもよくよく聞いていくと、獣医をはじめ専門家の中にはディクローの必要性を説く人たちもいました。

肯定派の意見は大筋こういう感じです。

イエネコは長く人間といる中で変化を遂げてきた。最近はゲノム解析で人間に友好的な遺伝子が進化の過程で生まれてきたことが確認されているようです。75%が室内で飼われ、もはやネコたち自身があまり外に出たがらない(飼う時は生涯外に出さないことを義務付けるところも増えました)。もはや自然界の動物とは少し違う。こんなにも彼らを変えてしまった人間がここで「自然のままに」と突き放す方が勝手。関わった責任をとって研究を進め、彼らがより楽に人間と共存できる道を探すべきである。決まったところでしか爪とぎできず、じゃれてたら引っ掻いたと怒られるのと、家のどこでも爪をとげ(爪がなくても爪をとぐ行為はするんです)、小さい子とも思う存分遊べるのと、どちらがネコにとって幸せなのか。

「多く批判があるのは事実ですが、ならば痛みの少ない安全な手術方法を追求すればいいという方向に行くアメリカって、ほんと合理主義というかなんというか…」と獣医さん。

これは思った以上に深い問題…。まず人間の私がネコの幸せを判断すること自体難しいですしね。

同時に「あれ?最近似たような議論をどこかできいたな」と思いました。ミラノ万博です。先日実は行ってきました(詳しいレポートはまた別の機会にブログとは違うところで公開します)。食がテーマだったので、多くの国が「GMO(遺伝子組み換え)FREE」や「自然回帰」を掲げる中、アメリカのパビリオンはひたすらデータを掲げ、このまま自然の流れに任せていると人口増加で食糧が足りなくなること、頭脳を結集させ、より明確な解決策を見つける必要性を唱えていました。その一案としてGMOもあるのだと思います。

人間は自然に逆らうべきではないという意見と、人間は存在自体自然と相対するものなので、人間が自然のことをよく知り、こちらから共存の具体策を提示するべきという意見。私は個人的な感情としては前者だし、GMOに関しては疑問も多いのですが、一方で「地球に優しい」ものが本当は「人間に優しい」とは限らないことも理解できます。

これまで自然のあらゆるものの形を変えて生きてきた私たち。ここから実際には人間に厳しい本来の「自然」に戻るべきなのか、それともここまで来たからにはとことん「科学」を追求して全く新しい道を追求するべきなのか…。

最終的にうちのネコちゃんは手術しました。それが正しかったのか、今の私に結論は出せません。確かに大好きな場所で思う存分爪とぎ行為をしてる姿自体は楽しそうだし、私たちは怒ることがなくなって快適になりましたが…う~ん、難しい。

ネコを通して、自然と人間の未来に思いを馳せるのでした。