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Planet Table Days

PT公式ブログ

『テクノロジーがもたらす食事の進化』ワークショップに参加してきました!

こんにちは!

PRあべです。

今月の頭に、『2040年新たな感動との遭遇「テクノロジーがもたらす食事の進化」フューチャーセッションワークショップ』というイベントに参加してきました!場所は品川のソニー本社。

 

実は代表の菊池が、このイベントのゲストスピーカーとして招待を受けまして、クリエイティブ・ディレクター近藤と、わたくしPRあべも一緒に見学、ついでにワークショップにも参加させてもらいました。

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ソニーの新規事業創出部主催の社内&社外の方を対象としたワークショップ。約100名の参加者が4〜5人ぐらいのグループに分かれ、「2040年、テクノロジーは我々の食事のシーンにどのような変化をもたらすのか?」というテーマで、約3時間みっちり様々なアングルからブレーンストーミングをし、最終的に事業アイデアや実際の食体験のプロトタイプまで落とし込みます。

 

弊社は今回初めて参加させてもらいましたが、実は同じテーマで今回が2回目のセッションだそうです。前回開催されたセッション#1で9つにまとめた「2040年に起こっていそうな未来の食の体験」をベースに、その9つの食体験をさらに深堀りしていくのが今回のセッション。

 

ソニーでは新規事業のオーディションも行われているので、セッションが進んでいくと実現に向けてチャレンジするプロジェクト発足!という事もあるんだとか。社員一人一人の新しいアイデアのタネを大切にして、大きなイノベーションまで育てていくというソニーさんの企業文化を感じました。

 

参加者はほとんどソニーの社員さんなのかな?と思いきや、社外からの参加者がたくさんいることにびっくり。私のチームは、約半分が社外からの参加で、有名なグローバル食品メーカーさんや国内大手化学メーカーさんなど。普段からこういう時間の使い方をされているんだと思うと、良い刺激になります。

 

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セッションが始まり、9つの「未来の食の体験」から、一番自分が興味があるひとつを選び、その選択によってチームが分かれます。

 

近藤は、「家庭内で食料を循環再生産するゴミゼロ食卓」という体験のチームに。実は近藤は「サルベージパーティ」(冷蔵庫の中で余ってしまった食材を皆で持ち寄り、シェフと一緒に美味しい料理に変身させる!という新しい食のスタイルを提案しているイベント)に携わっているメンバーの一人。納得の選択です。

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一方菊池は、「交換で仲良くなる、一緒に食べる、ご近所分業の食材シェア」。プラネットっぽさが感じられる選択です。

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そんな中、私が選んだのは、「リモート家族団らんから、至福のおひとりさまタイムまで楽しめるバーチャル食卓」。

このテクノロジーがあれば、単身赴任中の家族でも、みんな揃ってご飯が食べられたり、今後増えるであろう単身世帯の「孤食」を避けられたり、時空を超えて一緒に食べる人やシーンを選べるんです。ぜひ実現してほしい!

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他にも、「全自動お料理ロボット」「栄養を全て補えるスーパーフードの登場」「お皿の上の料理の栄養価を自動スキャンで可視化」「アレルギーを改善するバイオテクノロジー」などに関する体験がありました。

 

1時間半たっぷりディスカッションをしたところで、アジェンダは「インスピレーショントーク」へ。菊池含むゲストスピーカーの方々のプレゼンを聞きました。

今回は「テクノロジー」がキーワードということで、弊社SENDの「食材需要予測」の仕組みや、先日発表したスカイディスクさんとの提携(「物流可視化センサ」を使用し物流過程における位置情報、温度・湿度、衝撃等を記録・可視化するサービス)についてお話しました。実は菊池が外部のイベントでスピーチをしているのを見るのが初めてだったので、登壇しない私が勝手に緊張していました…

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他にも農研機構や東京大学の先生、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの方も登壇されておりました。

東京大学の研究で、VRによって、目に見えるクッキーの大きさを操作し、サイズを変えたときに満腹と感じるまでの枚数も変化するという研究をされている方がいて。クッキーが大きく見えるときは、7枚で満腹と感じるのに対して、クッキーが小さくみえる時は13枚食べられる、というような。(正確な枚数は失念してしまいました…)

栄養価が高いものを小さくして無意識的により多く食べてもらう(またはその逆)、みたいな応用のされ方をするらしいのですが、今では色々なところで目にするようになったVRの新しい使い道を知り、ワクワクしました。

もっとたくさん聞きたかった…

 

ワークショップ最後に参加者全員で記念撮影!

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ワークショップ終了後には、ソニー本社内にある3Dプリンタなどの工作機器を使って作業もできる「Creative Lounge」という共創スペースに移動し、懇親会に参加させて頂きました。脳みそをたくさん動かした後のビールは格別ですね!

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弊社は「ITベンチャー」「フードxテック」の会社と言われたりするのですが、四六時中IT専門用語が飛び交っているわけではなく、(むしろ「このズッキーニすっごく新鮮。水分が溢れ出してる!みんなコレ見て!」みたいな会話をよく聞きます)、今回のような未来のテクノロジーの革新にフォーカスを当てたワークショップはとても新鮮で自由で面白く、いつもと違う脳みそを訓練できた気がします。「農業・生産者支援」の会社である我々ですが、サービスに関わっている農家の方やシェフの方のライフスタイル、価値観も今後どんどん変わっていきます。そういった未来に起こるであろう変化にきちんと寄り添い、共感して頂けるサービスを提供していきたいと思います。

 

ソニーさん、素晴らしいワークショップの機会をいただき、ありがとうございました!

 

ではこのへんで。

PR・あべ

 

●プラネット・テーブルでは一緒に「食」の未来を創っていきたい仲間を募集中です!

ご興味のある方はこちら

<SEND1周年>スタッフ座談会②2年目のSENDが行く先とは。

こんにちは!

PRあべです。

 

2回に分けてお届けする、「SEND1周年記念スタッフ座談会」。第一回目に引き続き、1年間の振り返りとプラネット・テーブルの今後についてお伝えします。

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★座談会参加スタッフ★

菊池 紳

大西 浩嗣

福島 雄輝

森 雅俊

近藤 雄紀

SENDに期待してくれてる分、あえて厳しいことも言ってくれる。

あべ:シェフからはSENDに対してどんな声が多いですか?

 

福島:ポジティブなものとしては、やっぱり、食材の鮮度や美味しさには反応してくれますね。時々「料理人として大きい声では言えないけど、調理するのがもったいないね(笑)。生で食べるのが一番美味しい。」って言ってくれたり。嬉しいですよね。

 

菊池:あとは、見慣れた野菜ばっかりじゃないのが、楽しいとも言ってくれるよね。

でも最初は苦労した部分もあって。ひとつは、メインで他の八百屋さんを使っている飲食店は、結局まとめて頼んだ方が楽だし、っていう声も当時はあった。それはまだ既存の卸や八百屋さんの代わりすら果たせてなかったのかな。

 ふたつ目は、時々ある食材が市場で大量に余ったときに、市場が叩き売っちゃうから価格が暴落するんだよね。それが安かろうが悪かろうが一気に流通してしまう。僕らって、生産者さんと価格を決めて買い取るから、品質が良い物が売れないっていう状態になるんだよね。

 

大西でも最近そういう影響をうけなくなってきましたね。「SEND」は他とは違うものと認識してくれるシェフが増えたと思う。期待されてる分、あえて厳しいことを言ってくれたりする。市場だったら「よくあるよね」、で済む事もうちだとそれじゃあ済まされない。自分達でハードル上げちゃったなとは思うけど、でもそれで正しいんじゃないかな、と思っています。

 

福島:創業初期に、一度チェーン店と取引したことがあったじゃないですか。

クリスマスシーズンに、どこにいっても品薄のフルーツトマトを200ケース欲しいと言われて。生産者さんに頭を下げて、必死の思いで手に入れた200ケースを、「やっぱり20ケースしか使わなかったから、180ケース引き取って。」って言われたことがあって。チェーン店の本部が、各店にちゃんと周知できなかった結果なのに。しかも引き取りにまで行って、相当悔しかったですね。そのときに、僕らも含めて、売り手も買い手も対等な関係じゃないと成り立たないんだなって思いました。

 

菊池:最近入ったメンバーって、あんまりこの手の怒りや悔しさを感じる事ないと思うんだけど、初期のメンバーにはそういう経験があるからね。

買い手側が「買ってやるから持って来いよ」、みたいなスタンスだとどうしても生産者さんと合わないんだよね。もちろんチェーン店全部というわけでは決してないんだけど、僕らや、生産者さんや畑の事情を理解しようとするお店とじゃないとやっていけない。

 

梱包の手間を省く分、より新鮮な食材を。

あべ:生産者さんからはSENDに対してどんな反応がありましたか?

 

菊池:やっぱり梱包の仕方に関しては、反応が大きくて「本当にバラで送っていいんですか!?小分けとか袋詰めしなくていいんですか!?」って、信じてくれなかったよね(笑)。これは今でも結構驚かれる。こんなに簡単でいいんだね、って。

 

大西:先日菊池さんと徳島に行って、地元の生産者さんや農業関係者の方に講演をしてきたんですけど。食材ごとの梱包方法の参考例をスライドショーで見せたら、皆さん驚いてましたよね。空気が変わったというか。梱包資材も小分けにする手間も要らなくなるって、すごいコスト削減なんだって。僕自身、こういうの一つとっても、生産者支援につながるんだなと改めて実感しました。

 

菊池:そうだね、余計な梱包や小分けをしなくていいんだけど、「とにかく収穫後は必ずすぐに送ってください!」という念押しは必ず今でもしてるね。

 

一緒に働きたいのは、食にルーツや興味が深いひと。

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菊池:最近思うんだけど、「今の日本の農業や食ってまだまだ改善できるよね」、とか「生産者って大事だよね」、っていう価値観って結構広まったんだと思うんだよね。それで、残りの人生そういう仕事をやってみたいって思う人も増えたと思うんだけど、意外とゼロからやるには結構大変なんだよね。専門知識も必要だし、興味がないと続かないし、ルーツが無いとめげちゃったりするから。

ここ最近ずっと、採用に力を入れているからどんな人とプラネット・テーブルで一緒に働きたいか考えているんだけど。今いるメンバーって、みんな食への興味が人一倍強くて、過去に食のイベントやってたり、卸をやってたり、何かしらルーツとか興味があるんだよね。

 

大西:『食』が好きじゃないと始まらないと思いますね。時々、「営業には自信があります!」って言って来てくれる人がいるんだけど、僕はあまりそこは重視しないですね。

 

:荷捌きチームでも感じます。本当に好きな人って、写真の取り方とか、食材の扱い方一つ一つに愛があって、それが言動に滲み出るんですよね。

 

菊池:最近資金調達も終わって、興味をもって頂いて問い合わせしてくれる人が増えてるんだけど、やっぱりそういう部分は重視したいかな。そういう意味で、創業メンバーの宮地に採用の先頭に立ってもらっているのもその為。

なんかベンチャーで伸びてそうで、刺激がたくさんありそうで、農業・食べ物に関連していて、しかもちょっとソーシャルで良いじゃん、みたいな感じのモチベーションだけだと、僕らが達成したい事にはたぶん足りない。

鶏と卵だけど、好きだから夢中になったり、夢中になるうちに好きになったり、どっちもあるんだけど、そういう人を増やしていきたい。そういう人には、学べる場所とコンテンツをしっかり供給したい。

そういえば、前に肉についての分厚い本2冊分をコピーして、スタッフ全員に配ったこともあったんだけど。あれちゃんと読んだかな?

 

大西:あー・・・あ、ありましたね(笑)。

 

菊池:よし、今度テストしようかな!(笑)

 

本当のインフラになるには、いかに僕らが存在感を消せるか。

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あべ:ではここらへんで、今後のことも聞いていいですか。

 

菊池:「SEND」ってクローズドでやってきたサービスなんだよね。

でもここまできたら、もうインフラになりつつあるから、もっともっと開けたものにしていこうかなって。シェフ側からの需要も今までかなり蓄積してきた情報があるから、それが日本中の生産者にとって有用なものになるはずだし、オープンにしたほうがいいのかなって。近藤君、どう思う?

 

近藤:そうですね。この1年で、生産者さんと地道に対話やフィードバックをしてきましたし、そこは変えちゃいけないと思います。ただ、生産者以外の、一般の生活者の中にも、プラネットの思想やコンセプトに共感してもらえる人は増えてきたかなと思うんですね。クリエイティブチームとしては、次にもっと生産者を刺激できるベストなサービスやコンテンツってなんだろう?っていうのを考えていきたいと思ってます。

 

菊池:センターを回している森君から見て、次のステップは?

 

:やっぱり、畑と都会との鮮度や品質、時間の差をどこまでも縮めるには、まだまだやるべきことがあるんですよ。物流拠点や配送モデルの土台は出来上がったとは思うんですけど、同じことをやっている人はいないので「未知の世界への挑戦」です。

とはいえ、どこまで行っても「インフラ」だと意識を忘れずにしたいです。生産者にとってもシェフにとっても、僕らがどんだけ存在感消せるか、意識しなくても支援できるくらいの存在になるって大事だと思うんですよね。

 

菊池:生産者より僕らが前に出ちゃダメだよね。モノを売るための存在になりたいんじゃなくて、僕らがいることで、自然に生産者さんや農業が持続的に活動できるようになったら良いなぁ。

 

<了>

 

2回にわたってお読み頂きありがとうございました。引き続きスタッフ一同、生産者・産地支援につながるサービスを作っていけるように頑張ってまいります。今年も残りあと3ヶ月、さらに速度を上げて走り続けます!

 

●第一回目座談会はこちら↓

 <SEND1周年>スタッフ座談会①この1年間でわかったこと。

 

 ●一緒に「食」の未来を創っていきたい仲間を募集中です!ご興味のある方、プラネット・テーブルHPよりお問い合わせください。

http://planet-table.com/joinus/

 

ではこのへんで。

PR あべ

 

<SEND1周年>スタッフ座談会①この1年間でわかったこと。

広報ルーム

こんにちは!

PRあべです。

8月9月にかけて、SEND1周年、資金調達の実施、スカイディスクさんとの提携など、ニュースの多い時期でした。

 

今回、SEND1周年というこの節目に、サービスリリース当初から携わっていたスタッフを集め、当時を振り返り&今後の話も含めてざっくばらんに話す会を開きました。

 

先月は登録レストラン数が1000軒を突破し、資金調達を終え、さらに新しいスタッフも増えました。会社が成長しているこの時期だからこそ、さらに上のステージを目指すべくプラネット・テーブルの原点は何だったのかを改めて振り返ってみたいと思います。

 

みなさまにも我々がやってきたこと、その中で学んだことをブログを通して少しでもお伝えできれば幸いです。2シリーズに分けて、お届けします。

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★座談会参加スタッフ★

菊池 紳

大西 浩嗣

福島 雄輝

森 雅俊

近藤 雄紀

スタッフ4人で食材開拓から自社配送まで行う怒濤の日々。

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あべ:サービスが始まった時期って、4人でやっていたんですよね。「SEND」って、一般的なウェブサービスに比べて、とても人の手がかかるサービスだと思うんです。届いた野菜の検品、荷捌き、梱包、配送やら。当時はどんな感じだったんですか?

 

菊池:人は全然足りなかったよね。今もだけど(笑)。午前中の配送と、午後の配送で2回あるから。それを1〜2人で回してた。

 

:はい。当時は食材の検品・荷捌きをして、トラックに積んでレストランまで運ぶ・・・っていうのを同じ人がしてましたね。午前の配送が終わって、またセンターに戻って、午後配送の分の荷捌き→配送の繰り返し。その後、翌日のための在庫チェックをして。

 

福島:一日中都内を走り回ってるから、同じ場所で打ち合わせする時間すらとれなくて(笑)。どうしても話さなきゃいけない時は、同じトラックにいつもの1.5倍ぐらい食材を積んで、二人で乗り込んで運転中に打ち合せしてましたね(笑)。

 

菊池:そうだったんだ、それは知らなかった(笑)。

 

クリスマス商戦を乗り越え急成長

大西:去年の8月末に始まって、10月ごろに徐々に慣れ始めて。

 

菊池:でも、まだ生みの苦しみの時期だったよね。食材を増やさないとお客さんが増えないし、お客さんが増えないと食材の種類や量も増やせないし。

 

大西:その後の怒濤のクリスマスシーズン。やっぱり、飲食店にとって一番大切な時期だから、イチゴとか肉は絶対に質の高いものを欠品させないよう必死にやりましたね。

あとラ・フランス!完熟度合いが3段階ぐらいに分かれていて。収穫後何日経ったか、どの温度で置かれていたかで、すごく状態が変わるんですよ。状態によって適した保管方法も変わってくるので、生産者と話して一番良い方法をシェフに伝えていました。「今日使いたいから熟してるものが欲しい」「コンポート用だから固めでお願いね」とか、そういったシェフからの細かいリクエストにも応えていたので、かなり大変でしたがシェフからは喜んでもらえました。今年もまたラ・フランスの季節がきたか〜!って思いますね(笑)。

 

菊池:でもその時期をきっかけに、今も使い続けてくれるシェフはいるよね。他で手に入らない時期でも、うちだと手に入ることがある食材もあるからね。普通だったら、卸屋さんが取り扱わない食材を通り扱えるのも、やっぱり毎日シェフとコミュニケーションをとってニーズを聞き出しているからだよね。

 

大西:初めは、飲食店に行って行商して野菜の魅力を直接伝えながら販売していました。というか、そうするしかなかったですね。でもやっぱりそういうリアルなコミュニケーションって、1,000軒越えた今でもなくなってないんですよね。シェフも実際の食材を見て決めたいという気持ちもありますし。

 

僕らの役目は、シェフのクリエイティビティを刺激すること。

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大西:シェフって、みんな飢えてるんですよ。でも、今までそれについて誰もケアしてなかったんだと思うんです。ほんとに些細な事なんですよ。例えばソース用のトマトなんて、今はうちでは普通に扱っているけど、それすら市場にはほとんどないから。

 

菊池:ソース用ってことは、完熟してないといけないからね。完熟のトマトは普通市場では扱われない。物流上も、潰れたり擦れたりするし。じゃあその為に梱包資材変えたり、生産者と話さなきゃいけないことも多いしね。

結局、シェフのクリエイティビティを僕らがいかに刺激できるかどうかってことなんだと思う。例えば最近、和食の創作料理で、技術があるシェフはジャンル関係なくどんどん新しい食材を試してくれるんだよね。吸収力や技術の高い、クリエイティブなシェフにとっては、食材のジャンルってあまり関係ないんだって気づいた。

 

:注文票みても、和食屋だって気がつかないこともありますね(笑)。

 

菊池:だから、「これ、面白そう!使ってみたい!」と思わせる食材の魅力をきちんと「見える化」していって、ちゃんと需要がある食材を需要がある形で実際に生産者に作ってもらうってのをやるべきだと思う。

 

:ただ食材をシェフに持っていくだけなら誰でもできますからね。シェフも、僕らに対して「こいつらは食材のプロ」だと思って接してくれます。食材と、それを作っている生産者の魅力をしっかり伝えて、シェフからのフィードバックを吸い上げないと僕らがやっている意味がないと思っています。

 

世の中に規格も相場もない食材を扱う難しさ

大西:あと値決めも最初は大変でしたね。

 

菊池:そうだね〜。大西君はもともと市場にいたし、僕も飲食店の仕入れの裏側は見てきたからまだよかったけど。とはいえ、扱ったことがない食材が多いから。

 

大西:そもそも世の中に相場がない食材ですからね。

 

菊池:規格も値段もない食材が半分以上を閉めるので、手探りなんてもんじゃないよね。生産者に対して、「いくらで出したい?」から始まって。普通は始め高く提示して、あとで下げるんだけど。僕らは逆で試しますね。手探りのときは、まず安めに設定して、注文してもらえる事を優先する。高めに出すと、一発目から出ないから僕らもそれ以上工夫できなくなっちゃうんだよね。

価格を探るっていうプロセスを丁寧にやるのを大切にしなきゃいけないよね。でもこういうやり取りって、生産者と直接やってないと無理なんだよね。市場を通してたら不可能。試しに売ってみようか、こんなふうに提案してようっていうのを、生産者と直接相談できるのが強いよね。

 

福島:生産者のなかでも、積極的な方は「試しに○○作ってみたので食べてみてください!」とかたくさんあるんですよ。そういう会話の中で、偶然めちゃめちゃ美味しい食材に出会えたりして、結果今も取り扱いさせて頂いている生産者もいますね。

 

畑でとれた食材を、畑でとれたままの鮮度で届けたい。

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菊池:森君は日々食材を目の前にして仕事してるわけだけど、大切にしてることとか、ある?

 

:生産者の方から送ってもらった食材を、いかにそのままの良い状態で丁寧にお客様まで届けられるのかを考えてますね。産地の物をできる限り産地にあったままで届けたい。

 

菊池:食材は、生き物だからなあ。

 

:保管方法の工夫や、僕らの作業の早さは本当に大事ですね。あと、根菜と葉ものでも扱い方が全く異なるので。同じ日に届いた同じ食材でも、産地や生産者が違うだけで、変わったりする。毎日試行錯誤で研究してます。良かれと思ってやったことが、翌日あれ!?っていう状態になってたり。

 

菊池:そうそう、だから物流可視化センサ」も試してみたかったんだよね。箱あけてみたら、汗かいちゃってるとかあるでしょう。

 

:そうですね。生産者も運んでくれる人も、絶対誰も意図してそうやっているわけじゃないのに、結露して葉が溶けてたりすると本当に悔しいですね。

 

菊池:どこでどうやってそれが起きてしまったかは、物流に依存する部分が大きいからね。こういう課題を解決しないといつまでたってもロス率0%にはならないよね。

 

大西:僕なんかは、前の仕事で市場にいたので、食材がどんな扱われ方をされてるのか、見てきたんですよ。

 

菊池:生鮮って置いたそばから劣化していくから、そういう生鮮がもつ性質を無視して平気で地べたに置いてる。うちはどこまでいっても、そこには神経質でありたい。畑でとれた時と同じぐたいの鮮度で、届けたい。どこでもドアの業務用が欲しいもん、コンテナ通せるぐらいでかいの(笑)。

 

※後編はこちら